君の隣で、私になれた
第42話「価値観は合わない」
部屋の照明は暖かいオレンジ色。
小さなテーブルを囲んで4人で座る。
缶を開ける音。
「乾杯!」
「乾杯!」
グラスを合わせる。
「そういえば。」
ふと思い出す。
「紅羽、どこ住むんだっけ?」
「恵比寿!」
得意そうに答える。
「みんなどこだっけ?」
新。
「豊洲。」
俺。
「中目黒。」
莉桜。
「品川!」
「え!みんな近いじゃん!」
「集まりやすそう!」
紅羽が嬉しそうに笑う。
「恵比寿か…」
思わず口角が上がる。
「やっぱお前、男連れ込む気だろ」
「ねぇ!!まじ失礼!」
紅羽がぐいっと肩を押してくる。
「痛っ!」
「まず否定しろ」
新が冷静に言う。
「だって!彼氏はほしいもん!」
「どうせセフレになる」
「ひどっ!言い方!」
「紅羽、最近どうなの?」
莉桜が笑いながら聞く。
紅羽は缶を見つめて。
少しだけ肩を落とした。
「……またヤリ逃げされた」
一瞬。
部屋が静かになる。
「あー……。」
思わず新と声が重なる。
「なんで私いつもこうなの!」
頭を抱える紅羽。
「男見る目」
「男見る目」
また新と同時だった。
「うるさい!!」
クッションが飛んでくる。
「おわっ!」
「っ!」
2個とも見事に顔へ命中。
「あはははっ!」
莉桜が涙を流して笑う。
「2人ともきれいに当たりすぎ!」
「紅羽コントロールだけはいいな」
「褒めてないよね!?」
また笑い声が広がる。