君の隣で、私になれた

第44話「またね」



ーーー卒業旅行2日目。


京都。

八坂神社。


朝の空気は少し冷たい。

4人並んで静かに手を合わせる。


卒業。

就職。

それぞれ違う春。




「何お願いした?」

紅羽がすぐ聞いてくる。

「言ったら叶わない」

新が即答。

「えー!ケチ!」


「紅羽は?」

叶わないって言いつつ人には聞く新。

「もちろん恋愛!」

そして普通に答える紅羽。

「ぶれないな」

笑いながら境内を歩く。



「おみくじ!みんなで引こ!」

紅羽が走っていく。


4人で並んでそれぞれ1本引く。


「やった!」

莉桜がぱっと笑った。

「大吉!」

紅羽が覗き込む。

「うわほんとだ!いいなぁ!」

「私中吉!」

「十分じゃん」

「違うの!大吉がよかった!」

「紅羽らしいけど」

新が笑う。


「恋愛運!みんな見せて!」

「またそれか」

新が呆れる。

「重要でしょ!」


まず、莉桜。

『長く続いた縁に答えあり。

迷わず誠実に進め。』


「えっ!」

紅羽の目が輝く。

「これさ!」

「湊くんからプロポーズされるやつじゃない!?」

「されないから!」

莉桜が少し照れて笑う。

「湊くん卒業したらもう結婚じゃん!」

「気が早いって!」

笑い合う3人。


俺だけ黙っていた。


「じゃあ次!琉生の見せて!」

「えー、嫌だ」

反射的に隠す。

「怪しい!」

紅羽が腕を伸ばして掴みかかってくる。

「おい!……あっ!」

そのまま奪われた。


「どれどれ……」

紅羽が読む。

そして動きが止まる。

「え…なにこれ」

「運命の恋じゃん!!!」

「とうとう琉生も……」


紅羽の反応に思わず笑う。

「ないない」


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