君の隣で、私になれた
『思わぬ縁、すぐ近くにあり。
気付かぬ想いに従えば道は開ける。』
紅羽が読み上げる。
「すご…ドラマじゃん!」
「……。」
新が俺の方を見る。
「ん?なに?」
「それって……」
言いかけて止めた。
「いや、なんでもない」
「え、気になる。言えよ」
「やめとく」
新は苦笑した。
「まぁ。」
紅羽が笑う。
「琉生は縁だけはいっぱいあるよね〜」
「だけはってなんだよ!」
「あとは本人の問題」
「それはそう」
新が頷く。
「たしかに…」
莉桜まで頷く。
「おい、莉桜はまだしも…」
「お前ら2人には言われたくない」
「なんでよ!」
また笑い声が響く。
笑いながら手の中のおみくじを見る。
『思わぬ縁、すぐ近くにあり。』
『気付かぬ想いに従えば道は開ける。』
「……。」
くだらない。
そんなわけない。
そう思って。
小さく折り畳んで結んだ。
風が吹く。
隣では莉桜が。
大吉のおみくじを。
嬉しそうに見つめて笑っていた。
その笑顔から。
また目が離せなかった。