君の隣で、私になれた


ーー学食到着。


「お」

ふと視線を向ける。

「噂をすれば本人いるじゃん」

「え?」

全員が振り返った。



窓側の席。

1人で座ってテーブルにご飯を置いてる。

たぶん友達を待ってるであろう莉桜がいた。



「まじだ、本物だ」

「可愛すぎる」

「あ、おい…っ」

俺はそのまま莉桜の方へ歩いていく。



「莉桜」

そう呼ぶと莉桜が顔を上げて笑う。

「あ、琉生」


「もう授業おわったの?」

「おわった!莉桜も?」

「私は午後もまだある…、琉生はご飯?」

「そー、あいつらと」

親指で後ろからガン見してくるやつらを指す。


莉桜はそっちを見ると小さく会釈をした。

そして、ふわっと笑う。


その瞬間。

男達はみんなピタッと固まる。


「やば!いま見た!?」

「見た!笑った!可愛い!」

「無理、可愛すぎる…」

ワーワー騒ぎ始める。


「何やってんだ、あいつら」

思わず吹き出す。

「ふふ、仲良いね」

「うるさいだけ」

「琉生と一緒じゃん」

「おい」

そう言うとまた笑う莉桜。


「じゃあまたなー」

「うん、またね」

莉桜が手を振る。

俺も軽く振り返した。



で、先に座ってる男たちの席へ戻る。

「距離近かった」

「名前呼びだった」

「普通に話してた」

「当たり前だろ!」

「当たり前じゃない」


「いやそれにしても可愛すぎた」

「あれは秒で好きになる」

「お前ら大袈裟すぎ!」

「大袈裟じゃない」

どうやら本気らしい。


「なぁ!」

1人が身を乗り出してくる。

「連絡先おしえて!」

「誰の?」

「成瀬さん!」

「無理」

即答。


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