君の隣で、私になれた


その時。

莉桜のスマホが震えた。


ーー湊。

『終わった?』


莉桜はすぐ画面を開く。


ーー莉桜。

『うん!』

『空港でご飯食べてる』

ーー…


「湊さん?」

「うん!今日は来れないから…」

「連絡だけ!」

そう言って笑う。


少しして。

莉桜がオムライスを食べ終わる。

「ごちそうさまでした」

「行くか」

俺は伝票を取る。


「え、私払うよ!」

「今日はいい」

「でも4人の時は割り勘なのに…」

「今日は偶然会えた記念」

冗談っぽく笑う。

「ご飯も付き合ってもらったのに…」

「いいから甘えとけ」

「……ありがとう」

少し申し訳なさそうに笑う。


その顔まで。

可愛いと思ってしまう。




ーー羽田空港の改札。


帰宅ラッシュ。

人で溢れる構内。


「今日もすご……。」

莉桜が小さく笑う。


電車が来る。


乗り込んだ瞬間。

人が一気に流れ込む。


自然と莉桜を壁側へ寄せる。

俺はその前へ立った。

人がぶつからないように。


「大丈夫?」

「うん!ありがとう」

電車が揺れる。

人波に押されても。

莉桜には当たらない。


「今日まじでびっくりした」

「私も……まさか同じ便なんて」

2人で笑い合う。


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