君の隣で、私になれた


振り向く。

「……。」

さっきまで。

制服を着たCAだったのに。

今は髪はまとめたままだけど。

私服でいつもの莉桜。


仕事の顔じゃない。

いつも4人でいる時と同じ。

柔らかい笑顔。


「待った?」

そう言って。

小走りで近付いてくる。


ドクン。


「……」


まただ。

仕事中に見た時とは違う。


制服姿も。

私服姿も。

どっちも反則すぎる。


「琉生?」

「……あ、いや今来たとこ!」

自然を装って笑う。


「お腹空いたー!」

お腹を押さえながら笑う莉桜。

「夕飯、食べてないんだろ?」

「うん、機内でいい匂いばっかりしてた」

思わず笑う。

「じゃあ飯行くか」


空港内のカフェに入る。

俺はアイスコーヒーだけ。


莉桜は。

オムライスを嬉しそうに食べている。

「美味しー!」

「よかったな」

「琉生もう食べたの?」

「うん、さっき食べた」

「そっか」


嬉しそうに食べる姿を。

ぼんやり眺める。


「なに?見すぎ!」

「美味そうに食うなと思って」

「お腹空いてたから!」

莉桜は笑う。

その笑顔だけで十分だった。


「そういえば。」

莉桜が顔を上げる。

「仕事してる琉生、初めて見た」

「え?」

「大学の時と全然違った」

「ちゃんと社会人だった!」

「なんだそれ」

苦笑いする。


「でもなんかキラキラしてて」

「かっこよかったよ」

さらっと言って笑う莉桜。


「……俺も。」

「仕事してる莉桜、初めて見た」

「どうだった?」

少し不安そうに笑う。

「めちゃくちゃ綺麗だった」

「……!」

莉桜が止まる。

「ありがとう」

そして少し照れたように笑う。


その笑顔に。

また胸が熱くなる。



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