君の隣で、私になれた


「じゃあまた!」

駅で解散する。


ひとり。

電車に乗る。

窓の外。

夜景が流れていく。

さっきのことを思い出す。


「解散!」

あの一言で。

みんなの不満は全部。

琉生へ向いた。


きっと私を庇ってくれた。


だから紅羽は最後まで。

私を責めなかった。


また助けてもらった。

そのせいで。

悪者になったのは琉生。


なんで。

何も聞かないんだろう。


理由も何も聞かないで。

ただ助けてくれるんだろう。


その優しさが少しだけ。

苦しかった。



大学の頃は終電まで笑って。

みんなでくだらない話をして。

酔って、二軒目も行って…

それが当たり前だった。


なのに今はひとりで先に帰る。

約束だから。

そう決めたのは私。

だから誰も悪くない。

……はずなのに。


どうして。

こんなに寂しいんだろう。


スマホが震える。


ーー湊。

『乗れた?』

ーー莉先。

『うん!』

『いま電車』


送信する。

すぐ既読。


『着いたら教えて。』

『分かった!』


画面を閉じる。


窓に映る自分は。

まったく笑っていなかった。


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