君の隣で、私になれた
でも。
湊は首を横に振る。
「方法なんてない」
「あるよ」
「ない」
「私だって湊に安心してほしい。」
「だから、一緒に——…」
「だから。」
湊が私の言葉を遮る。
「莉桜がCAを辞めれば終わる」
「それだけ」
「でも……!」
「その後のことは心配しなくていい」
「俺が養うから働かなくていい」
「家にいて俺だけ見てて」
その言葉に。
返す言葉が出なかった。
私は仕事を続けたい。
湊は仕事を辞めてほしい。
どちらが正しいとか間違ってるとか。
そういう話じゃない。
ただどうしても。
想いが交わらなかった。
ーー帰り道。
1人で歩く。
結局、最後まで結果は出なかった。
夜風が冷たい。
あぁ。
もう話し合いじゃないのかもしれない。
私は分かってほしい。
湊は従ってほしい。
同じ言葉を話しているのに。
見ている未来が違う。
好き。
それでも私は湊が大好き。
でもこの人と結婚したら。
私は。
私じゃなくなる。
そう思った。