君の隣で、私になれた
第6章 別れ

第51話「分かってほしかった」



ーーー社会人2年目の春。

ーー琉生side.


いつもの4人での月1飲み会。


飲み会終わり。

店を出る。



「じゃあまた来月!」

紅羽が手を振る。

「お疲れ」

新も駅の方へ歩いていく。


紅羽はなぜか今日は、

二軒目行こうって言わなかった。


莉桜は今日もソフトドリンク。


普通に笑っていた。

でも。

どこか無理をしている笑顔だった。


「じゃ、電車やばいから先行くね!」

紅羽と新は改札へ急ぐ。


気付けば。

俺と莉桜だけになってた。


少しだけ沈黙。


「明日も仕事?」

「うん。今週忙しくて……」

「そっか」


それだけ。

本当はもっと聞きたいことがある。


でも、踏み込めない。



その時。

一台の黒い車が俺たちの前で停まる

見覚えのある車。


助手席の窓が開く。

湊さんだった。


「……。」


一瞬。空気が止まる。


湊さんの視線が。

俺と莉桜を往復する。


「なんで2人?」

冷たくて低い声。


莉桜がすぐ答える。

「みんな今帰ったばっかりで──」

「聞いてない」

湊さんに遮られる。


「なんで2人だったか聞いてる」

莉桜の肩が小さく震える。

「たまたまで──」

「また”たまたま”?」

「羽田もたまたま。」

「今日もたまたま。」

「何回あるんだよ」


「違うの、今日はみんなで──」

「俺が知りたいのは。」

また遮られる。


「なんで俺との約束より」

「他の男との時間を優先したのか」

「……。」

「約束したよな?」

「男とは距離置くって」

「ちゃんと約束守るって」

「俺が忙しいからって、」

「好き勝手していいわけじゃない。」


湊さんは付け入る隙がないくらい。

莉桜のことを責め立てる。


「してない…飲み会だけだよ」

「お酒も飲んでないよ」

「2軒目も行ってない」

「約束守ってる」



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