君の隣で、私になれた

第52話「ちょっと怖い」



ーーー翌日。

ーー琉生side.


昨日のことが頭から離れない。


莉桜の苦しそうな顔。

「琉生。」

「……大丈夫。」

あの一言だけが何度も浮かぶ。


仕事中も気付けば考えていた。



昼休み。

スマホが震える。


『莉桜』


一瞬、心臓が鳴る。


『昨日はごめんね。』

『巻き込んじゃってごめん。』

『ありがとう』


短いLINE。


苦笑いする。

莉桜が謝ることじゃない。

そう思いながら。


『気にすんな。』

『無事?』

送信。


少し時間が空く。

既読。


『うん!』

『大丈夫!』


全然大丈夫じゃない気がした。



その夜。

グループLINE。


ーー莉桜。

『みんな。』

『今週どこか会えないかな?』


「……。」

嫌な予感がした。




ーーーいつもの居酒屋。


みんな揃う。


紅羽も新も。

そして俺も。

あえて莉桜に何も聞かない。


料理が運ばれて。

少しだけ他愛もない話をしたあと。


莉桜が箸を置いた。



「……話したいことがあるの」


3人とも自然と箸を置く。

そして視線が莉桜に集まる。


「私。」

「湊と別れた」


耳を疑った。


「……え。」


そんな声しか出なかった。


正直。

それだけはないと思っていた。


あの2人は結婚するものだと…

ずっと。

そう思っていたから。



新も目を見開く。

紅羽は静かに俯くだけ。


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