君の隣で、私になれた


たしかに琉生はとにかくモテる。

それはさすがに知ってる。

だけど正直ここまでとは思ってなかった。


それにしても…

やっぱり異性関係も派手だなぁ。


なんとなく。

少し前のカラオケでの会話を思い出す。

彼女がいても他の女の子と遊ぶ、

合コンにも行く、

けど振られる理由は分からない。

そんな人。



「ていうかさ」

急に私の方を見る友達。

「莉桜は何もないの?」

「何が?」

「神崎くんと」

「たしかに」

「実はもう関係持ってたり…」

「絶対ない」

即答。


3人が固まる。

「はや」

「否定が早すぎる」

「ほんとにそれだけは絶対にない!」

もう一度キッパリと伝える。


すると3人は力が抜けたように笑う。

「莉桜、彼氏いるもんね」

「そうだった」

「さすがにないか」

みんな納得したように頷く。


「ねぇ、莉桜のバイト先みんなで行こうよ」

「え、あり!行こう行こう!」

「きてきて!」

「まぁ目当てはどうせ琉生だろうけど!」

「それもあるけどそれだけじゃない」

「莉桜がちゃんと働いてるかの偵察〜!」

「うるさい」

笑いが起きる。

3人とも明るくて陽気で一緒にいると楽しい。



昔から私自身はそんなに目立つタイプじゃない。

明るくて陽気!ってかんじでもない。

けどなぜかそういう子と仲良くなることが多かった。

それは大学に入っても変わらないらしい。






ーーその頃。


莉桜たちから少し離れた席。


「成瀬さんだ」

他学部の男子学生が小さく呟く。

「文学部の?」

「そう。可愛いよな」

「可愛い」

「さっき経済の神崎と喋ってたよな」

「え、神崎も狙ってんの?」

「普通に仲良いだけかもだけど」

「うわ、それは勝ち目ねぇな」



他学部の2年の先輩席でも。

「やっぱ可愛いよな、成瀬ちゃん」

「今年の1年でダントツ」

「1年どころかキャンパス内だろ」

「てか彼氏、俺らと同学年だろ?」

「あれだろ、医学部の西条湊」

「は、あの医学部主席の?まじ?」

「おわったわ」


そんな会話が交わされていることを莉桜は知らない。



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