君の隣で、私になれた
「え!?」
「おつかれー」
「……。」
車をぼーっと見つめる。
「車買ったの!?」
「買った」
琉生は得意げに笑う。
「どう?」
「かっこいい!」
「ベンツのSUVじゃん!すご……」
「いいだろ。」
「めっちゃいい!」
子どもみたいにテンションが上がる。
「乗っていいの?」
「迎え来たって言ってるだろ」
「いいから早く乗れ!」
笑いながら助手席をトントン叩く。
私は助手席に乗り込んだ。
「新車の匂いする!」
「だろ?」
「いいなぁー」
「営業頑張った!」
少しだけ誇らしそうだった。
営業成績もすごいし、
ほんとにさすがとしか言いようがない。
車はそのまま走り出す。
「そういえば。」
琉生が前を向いたまま聞く。
「明日は?仕事?」
「明日から休み!」
「お。」
少し笑う。
「じゃあドライブ行く?」
「え!」
思わず目が輝く。
「行く!」
返事が早すぎたのか。
琉生が笑う。
「即答じゃん」
「せっかく車買ったんでしょ?」
「行きたい!」
「素直」
そう言って笑う。
「じゃあ決まりー」
ウインカーが光る。
家とは反対方向へ。
車が曲がった。
「やっぱかっこいいなぁ。」
思わず車内を見渡す。
シックで高級感もあってかっこいい。
「気に入った?」
「うん!」
「よかった」
琉生は少し嬉しそうだった。
「そういえば。」
ふと気になった。
「もう誰か乗せたりした?」
「ん?」
「車!」
「家族とか友達とか。」
琉生は前を向いたまま。
「いや。」
「莉桜が初めて」
「……え?」
思わず笑ってしまう。
「トップバッター!なんか嬉しい!」
「そんな喜ぶ?」
「新車の一番最初って特別じゃん!」
そう言うと琉生は笑う。
「まぁそうだな」
友達や知り合いが多い琉生。
そんな琉生だから初めての新車で。
1番に乗せてもらって単純に嬉しい。