君の隣で、私になれた


ーー琉生が出たあと。


ドアが閉まって。

女子はしばらく誰も話さなかった。

男子は何も気にせず騒いでる。


女子の一人が小さく息を吐く。

「……ねぇ。」

「絶対、莉桜ちゃんだよね」


誰も否定しない。


「今まで……」

「あんな帰り方したことあった?」

「ない、絶対ない」

「飲み会も途中で帰る」

「私たちとは遊んでくれない」


「でも、莉桜ちゃんには……」

「迎え行ったり」

「2人で遊んだり」

「誘われてもすぐ行く」


「友達って言うけどさ。」

少し笑う。

その笑顔は全然笑っていなかった。


「友達にあんな顔する?」

「……。」

誰も答えない。


「助手席……」

「私たち誰も乗せてもらえなかったよね」

「うん。」

「なのに莉桜ちゃんは一番最初」

「……。」

「ただの友達にそんなことする?」


「しない」

「絶対しない」

「琉生さ……」

「自分では気付いてないんだろうね」

「一番特別扱いしてること」


また違う女子が1人呟く。

「私、ずっと安心してた」

「莉桜ちゃんには彼氏いたから」

「琉生とは何もないって」


「でも……もう違う」

「莉桜ちゃんフリーなんだよ」

静かな声だった。


「……勝てる気しない」

誰かがぽつりとこぼす。


その言葉に。

誰も反論できなかった。



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