君の隣で、私になれた
ーーー三人でご飯。
ーー莉桜side.
さっきまでの空気が嘘みたいに。
紅羽が明るく喋り続けていた。
「そうそう!」
「新へのプレゼントさ!」
その時。
紅羽のスマホが鳴る。
「あ、ごめん!仕事!すぐ戻る!」
慌ただしく席を立つ。
琉生と2人きり。
少しだけ静かな時間が流れた。
「……ごめん」
先に口を開いたのは琉生だった。
「え?」
「今日、俺のせいで嫌な思いさせた」
「経済のやつら……」
「たぶん俺が変に勘違いさせてた」
私は少し苦笑いする。
「巻き込んでごめん」
思わず首を振る。
「琉生は悪くないよ」
「でも結果的に莉桜に向いた……」
「それは俺のせい」
琉生は少しだけ。
申し訳なさそうに笑う。
「……あと。」
「ちょっと怖かったよな」
その一言に。
少しだけ目を丸くした。
怒ったことより。
私がどう感じたか。
それを気にしてたんだ。
「……びっくりはした」
私は正直に答える。
「琉生が怒ってるの初めて見たから」
「だよな」
「でも、怖くはなかったよ」
「え?」
少し考えて。
言葉を探す。
「ちゃんと。」
「私のこと守ろうとしてくれてるって」
「分かったから」
「……。」
「琉生は……」
「私にはいつも通りだった」
「だから安心できた」
琉生は何も言わない。
ただ少しだけ。
力が抜けたように笑った。
「……なら、よかった」
その一言だけ。
どこか。
ほっとしたような声だった。
私は小さく笑う。
「ありがとう」
「今日、助けてくれて」
「……うん。」
短く頷く。
その時。
「ただいまー!」
紅羽が戻ってきた。
「なに?」
「二人で真面目な話してた?」
「してない」
「してない」
思わず2人同時に答える。
一瞬だけ顔を見合わせて。
笑ってしまった。
「息ぴったりじゃん!」
紅羽がケラケラ笑う。
私も。
琉生も。
つられて笑った。