君の隣で、私になれた
第60話「そんな彼氏ほしいな」
ーーー社会人2年目の春
ーー莉桜side.
休日。
今日は仕事もなくて明日も休み。
お風呂まで済ませて。
ソファでぼんやりテレビを眺める。
時計を見る。
18時。
「そろそろご飯にしよっかなぁ」
立ち上がろうとした、その時。
♪♪♪
スマホが鳴る。
画面を見る。
新から着信。
「え?」
珍しい。
少し驚きながら電話に出る。
「もしもし?」
『あ、出た』
いつもの落ち着いた声。
『莉桜、もう飯食った?』
「まだ!」
『ならちょうどいい』
『今日、仕事で肉いっぱい貰って』
「え?」
『飯まだなら来る?』
「……え?」
思わず聞き返す。
新から。
しかも急にご飯の誘い。
そんなこと初めてだった。
『あ、ちなみに琉生も来る』
『紅羽は仕事』
「そっか」
一瞬だけ考える。
男二人。
女一人。
しかも夜。
新の家。
前までなら絶対断ってた。
でも……
「行く!」
『了解。』
「あ。」
ふと思い出す。
「でも私、もうお風呂入っちゃった」
『俺も帰ってから入る』
『琉生も仕事終わったら風呂入って来る』
『服も適当でいい、俺も部屋着』
思わず笑う。
「えー、ほんとに?」
『ほんと』
少し間。
『……てか、家の場所知らないよな?』
「あ。」
たしかに。
『琉生に拾わせるから』
「え?」
『じゃ、あとで』
プツッ。
電話が切れる。