君の隣で、私になれた
第7章 恋人
第61話「俺も嬉しい」
ーーー社会人3年目の春。
ーー琉生side.
羽田空港。
莉桜の仕事おわりに迎えに行く。
もう最近では当たり前になりつつある。
「おつかれ!」
「今日もありがとう」
「莉桜は今日も可愛い」
「……また。」
莉桜は少し照れたように笑う。
「最近、可愛いって言いすぎじゃない?」
「そう?」
「うん。」
俺はハンドルを握ったまま。
少しだけ笑う。
「だって可愛いから」
自然と口が動く。
莉桜は何も言わない。
帰り道の途中。
窓の外に夜桜が見える。
「ちょっと寄る?」
「うん!」
夜の公園。
人も少ない。
2人で並んで歩く。
「綺麗だねー」
「そうだな」
少し先を歩く莉桜。
桜を見上げて笑う。
その瞬間。
無意識にスマホを向けていた。
カシャ。
「え!ねぇ、また撮った!?」
俺は画面を見る。
写真の中の莉桜を見つめる。
思わず。
「……可愛い」
小さく漏れる。
そして頬が緩む。
「もう……。」
顔を上げると目を逸らされる。
莉桜の家の前。
車を停める。
「今日もほんとにありがとう」
ドアを開ける。
「また迎え行く」
莉桜が振り返る。
「……いつもありがとう」
「大変でしょ?」
俺も少しだけ笑って。
「俺が莉桜に会いたくて行ってる」
「だから全然」
目を見て言う。
莉桜は少しだけ目を見開いて黙る。
「じゃあ、おやすみ」
「……おやすみ」