君の隣で、私になれた
私は顔を上げて琉生を呼ぶ。
「琉生!」
琉生はすぐに気付いてこちらへ歩いてくる。
「どうした??」
「さっきみんなで撮った写真送ってほしい」
「いいけど」
そう言ってスマホを取り出す。
「なんで今?」
「…彼氏に送るから」
「あー、なるほどね」
納得したように頷く。
数秒後、写真が届く。
「ありがと」
「どーいたしまして」
スマホを見ていると視線を感じて顔を上げる。
琉生と目が合う。
「ん?何??」
「…いや、なんでもない」
琉生はそのままみんなのところへ戻っていった。
「…?」
私は4人で撮った写真を選ぶ。
送信。
イルミの方を見る。
紅羽が新に何かを言っている。
新は面倒そうな顔をしている。
琉生はそれを見て笑ってる。
いつもの光景。
なのに、
なぜだろう。
少しだけ息がつまる。
湊からのLINE。
『なんで先に言わないの?』
『男いるなら先に言って』
『バイトおわったら連絡』
画面を見つめる。
分かってる。
湊は怒ってるわけじゃない。
心配しているだけ。
それはちゃんと分かってる。
だけど…
私は小さく息を吐く。
本当に小さく。
誰にも聞こえないくらい。
「莉桜」
顔を上げると琉生がいた。
「LINE返せた?」
私は慌ててスマホをしまう。
「うん」
「じゃあ戻ろ」
そしていつもの笑顔を作る。
誰も気付いてないと思ってた。
でも琉生だけは気付いてた。
そのことに私は気付かない。