君の隣で、私になれた
ーーその後。
「そういえばさ」
紅羽が言う。
「みんなクリスマス何するの?」
「1番予定なさそうな新は?」
「課題」
「嘘でしょ」
「本当」
「つまんない」
「放っとけ」
笑いが起きる。
「琉生は?」
「たぶん彼女」
「たぶん?」
「たぶん」
「最低」
「なんで」
またみんなが笑う。
「莉桜は彼氏?」
紅羽が聞く。
私は少しだけ止まった。
「あー…うん」
そう答える。
笑っているはずなのに。
どこか上手く笑えていない気がした。
「いいなぁー」
紅羽が空を見上げる。
「私も彼氏ほしい!!」
「やめとけ」
新が即答。
「なんで!?」
「見る目ないから」
「失礼な!」
また笑いが起きる。
「そろそろ行くぞ」
新が時計を見る。
「あ、やば」
「バイト!」
4人で走り出す。
イルミネーションの光が後ろへ流れていく。
この時はまだ。
ちいさな違和感に私は気付いていなかった。