君の隣で、私になれた
「え……」
その光景を見た後輩女子が固まる。
「近くない?」
「近い」
「まさか…」
ざわつき始める。
後輩男子たちもざわつく。
「え、もしかして…」
「成瀬先輩の彼氏って神崎先輩!?」
「うわ」
「それは無理ゲーだろ」
「さすがに勝てる気がしない」
「最初から詰んでる」
勝手に勘違いして落ち込む。
「違う違う」
私は慌ててそれを否定する。
「彼氏じゃないから!」
琉生はというと呑気に笑うだけ。
「でもお似合いすぎません?」
1人の後輩女子が言う。
それに賛同しだす後輩男子と女子たち。
「分かる」
「成瀬先輩なら納得」
「俺も神崎先輩なら諦めつく」
「絶対付き合ってると思った」
後輩たちが盛り上がる。
「えー、そう見える?」
琉生は否定するわけでもなく笑う。
「見えます!!」
「めっちゃ!!」
後輩たちが頷く。
「そっかー」
琉生はそう言って私の方を見る。
「じゃあ付き合う?」
「ない」
即答。
「早っ」
「0.1秒」
「秒ですらない」
周りは大爆笑。
後輩女子たちは悲鳴みたいな声。
「きゃーーー!!」
「今の何!?」
「言われたい!」
「成瀬先輩ずるいー!」
さらに盛り上がる。
「冗談だって」
それを見て琉生が笑う。
「莉桜は彼女じゃなくて友達」
「な?」
「うん」
私も頷く。
「はい終了!解散解散!」
琉生が手を叩いて解散させる。
「納得できない!」
「絶対何かあるでしょ!」
後輩たちはまだ騒いでいる。
「ないって、俺が彼氏に怒られる」
「えー!!」
みんなが散らばった後。
私は小さくため息をつく。
「琉生」
そして隣の琉生を睨む。
「ごめんって」
ヘラヘラして全然反省してない顔。
「変なこと言わないでよ」
「ごめんごめん」
「ほんとに」
「ちゃんと否定しといたから許せ」
そう言って。
琉生はいつもの呑気な笑顔を浮かべる。
ほんとにわかってるのかな。
私はまた小さなため息をつく。