君の隣で、私になれた

第13話 恋を知らない男




ーーー大学2年の春。

ーー琉生side.


それぞれの恋愛事情。

琉生の場合。



「好きだけど別れたい」


大学の中庭。

彼女から別れを切り出される。


「琉生って何考えてるか分からない」

「そう?」

「私のこと好き?」

俺は少し考える。


「たぶん好きだと思う」

「たぶん?」

「うん」

そう言うと彼女が泣きそうな顔で笑う。

「ほら、そういうとこ」

「私ばかり好きみたい」

「…」

「もっと彼女優先にしてほしかった」

「…それは無理かも」

正直に答える。


「なんで?」

「友達も大事だし、遊ぶのも好き」

「彼女できても急には変われない」

沈黙。

「やっぱり別れよう」

「琉生には恋愛向いてない」

俺は止めない。

「分かった」

「…最後まで好きになってもらえなかったな」

そう言って小さく笑う。

そしてそのまま去っていった。




『琉生には恋愛向いてない』

『最後まで好きになってもらえなかった』


たぶん彼女の言ったことは正しい。

けれど正直。

それでも楽しければいい。

そうとしか思えなかった。





ーー直後。経済学部。


「どうなった?」

戻るとすぐ周りに集まってくる男友達。


「フラれた」

「また!?」

「早すぎるだろ」

「今度はなんて?」

「何考えてるか分からないって」

そう言うと納得される。


「あー」

男友達たちが揃って頷く。

「納得」

「おい」

「いや納得すぎる」

「俺も納得」

「全員敵じゃん」

笑いが起きる。


「彼女優先にしてほしいとか」

「ほんとに好きなのか分からないって」

「で?なんて答えた?」

「たぶん好きって」

沈黙。

「お前それ好きじゃない男の返事じゃん」

「違う」

「じゃあ本気で好きだった?」

「…たぶん?」

「はぁーー…」

「おわりだ」

「おわりだな」

ため息と共に呆れられる。



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