君の隣で、私になれた
第19話 恋に縛られる女
ーーー大学2年の冬。
それぞれの恋愛事情。
莉桜の場合。
大学。
共有スペース。
「莉桜ー!」
後ろから声。
振り返る。
同じ学部の男子。
「昼飯行こうぜ」
「みんなもういる」
「行く行く!」
私は笑う。
そのまま数人で学食へ。
本当にそれだけ。
連絡先交換もない。
二人きりでもない。
ただの友達。
その様子を少し離れた場所から見ていた男。
湊だった。
目だけが笑っていなかった。
そのことに私は気付かない。
ーーその日の夜。
『家来れる?』
LINEで湊から呼ばれて家へ来た。
合鍵で入る。
誰もいないみたいに静か。
リビング。
湊はソファに座っていた。
テレビもついていない。
照明も間接照明だけ。
「おかえり」
笑っていない。
私はそれを見てすぐ察する。
湊の機嫌が悪い。
「ごめん」
「何が?」
まだ何も言われていない。
でも反射的に謝る。
「ここ座って」
私は湊が座ってるソファの前へ行く。
そしてそのまま床へ座る。
「今日の昼」
…始まった。
「一緒にいた男誰?」
「文学部の友達」
「名前」
「え?」
「名前を聞いてる」
答える。
「その男と何してた?」
「みんなでお昼食べてただけ」
「何人?」
「6人」
「男何人」
「3人」
湊がため息をつく。
「なんで俺に言わないの?」
「え…」
「先に教えてって言わなかった?」
「でも…言う必要ある?」
そう言った瞬間。
空気が変わる。