この恋心を悟られてはいけない
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「さすがにここまで立派なお部屋を使わせていただくのは申し訳ないといいますか、私は自宅でも大丈夫ですので」
「あの家ではセキュリティ面に問題がある。何かあってからでは遅いんだ」
「家族でも恋人でもない男女が一つ屋根で生活するだって、普通は何かあったって疑われるものなんですよ……」
「下世話な噂を流す者達は君を守ってはくれない」
頑なに意見を変えようとしない騎士・リオネルにヴェルデは頭を抱える。
騎士として、警護対象であるヴェルデを守ろうとしてくれているのは分かる。ヴェルデの借りている部屋を見るまでは、家まで送り届けたら解散するつもりだったことも。
だが王都に来てから約七年。
ずっとあの家で暮らしているが、セキュリティなんて気にしていなかった。
どうせ家と店を往復する毎日。たまの休日だって買い物をする程度で、特に問題も起きていない。
確かに近くの物件に比べればずっと安いし、見た目はよくないが、大家さんもお隣さんもいい人なのだ。そこまで言われるほど酷くはない。
「帰りたい」
ヴェルデはボソっと呟く。
だが返ってくるのはすげない言葉である。
「君の家のセキュリティ面に問題があった場合は、俺の家で保護すると店長の了解を取ってある。本当に連れてくるとは思ってもみなかったが、犯人逮捕まで我慢してくれ」
「せめて着替えは取りに行かせてください……」
「もう遅いので明日以降にしてくれ。俺はただ……心配なんだ」
眉を下げられては折れざるを得なかった。
寝巻きとして彼の服を渡され、ヴェルデは頭を抱える。
なぜ数日前に再会した初恋の相手の家で暮らさなければならないのか。初恋といっても大した接点もなく、言葉を交わしたのは七年前の一度きり。
若い貴族の騎士というだけでもモテるだろうに、リオネルの顔立ちは非常に整っている。身体付きもがっちりとしており、背筋はピンと伸びている。女性達が放っておくはずがない。
理由があるとはいえ、彼の家で一夜を過ごしたなんて聞かれたら別の意味で危ない目に遭いそうだ。
どうしてこんなことになってしまったのか。
数日前まではいつもと何も変わらなかったのに。
「はぁ……」
大きなため息を吐く。
発端となったのは三日前。この日までは確かに『ヴェルデの日常』だったのだ。
「あの家ではセキュリティ面に問題がある。何かあってからでは遅いんだ」
「家族でも恋人でもない男女が一つ屋根で生活するだって、普通は何かあったって疑われるものなんですよ……」
「下世話な噂を流す者達は君を守ってはくれない」
頑なに意見を変えようとしない騎士・リオネルにヴェルデは頭を抱える。
騎士として、警護対象であるヴェルデを守ろうとしてくれているのは分かる。ヴェルデの借りている部屋を見るまでは、家まで送り届けたら解散するつもりだったことも。
だが王都に来てから約七年。
ずっとあの家で暮らしているが、セキュリティなんて気にしていなかった。
どうせ家と店を往復する毎日。たまの休日だって買い物をする程度で、特に問題も起きていない。
確かに近くの物件に比べればずっと安いし、見た目はよくないが、大家さんもお隣さんもいい人なのだ。そこまで言われるほど酷くはない。
「帰りたい」
ヴェルデはボソっと呟く。
だが返ってくるのはすげない言葉である。
「君の家のセキュリティ面に問題があった場合は、俺の家で保護すると店長の了解を取ってある。本当に連れてくるとは思ってもみなかったが、犯人逮捕まで我慢してくれ」
「せめて着替えは取りに行かせてください……」
「もう遅いので明日以降にしてくれ。俺はただ……心配なんだ」
眉を下げられては折れざるを得なかった。
寝巻きとして彼の服を渡され、ヴェルデは頭を抱える。
なぜ数日前に再会した初恋の相手の家で暮らさなければならないのか。初恋といっても大した接点もなく、言葉を交わしたのは七年前の一度きり。
若い貴族の騎士というだけでもモテるだろうに、リオネルの顔立ちは非常に整っている。身体付きもがっちりとしており、背筋はピンと伸びている。女性達が放っておくはずがない。
理由があるとはいえ、彼の家で一夜を過ごしたなんて聞かれたら別の意味で危ない目に遭いそうだ。
どうしてこんなことになってしまったのか。
数日前まではいつもと何も変わらなかったのに。
「はぁ……」
大きなため息を吐く。
発端となったのは三日前。この日までは確かに『ヴェルデの日常』だったのだ。