Hidden love.
Episode2
 当然翌朝は、後悔した。

 胸元に残っている気持ち悪さと、頭痛と、それと腰痛。若くもないのに盛って、馬鹿みたいだ。そして残念なことに記憶もない。

 本当に、私という人間はどうしようもない。

 ベッドの上、シーツを手繰り寄せて、自分の身体を隠し、頭を抱えた。おまけに溜息まで零れ、朝からホテルの一室の空気が重い。

 大樹もすぐに目を覚まし、眠たそうな眼で「おはよう」と子供の様なふわふわとした声を掛けてきた。


「…おはよ」

「…何してんの」

「賢者タイム」

「遅くね?」


 そうツッコむとくわっとのんきにあくびをしている大樹。

 私もさすがにワンナイト程度で騒ぐほどの愛らしさは持っていない。そもそも流されたところまではうっすらと記憶がある。あれほどアルコールを飲みすぎた自分の落ち度でもある。

 だけど、その時に理性が全くじゃ働かなかったことに、嫌悪感が差した。


「ねぇ、大樹」

「ん?」

「忘れない?」


 苦笑いでこんな提案をしてみるも断られるだろうなと思っていた。自分で合意したのだ。酔いが醒めたら無効だなんて、そんな馬鹿な話はない。

 そう思っていたのだけれど、大樹は案外すんなりと「いいよ」と引き下がった。


「え、いいの?」

「いいよ。どうせすぐ会うことになるから」


 そう言いながらシャツを拾い身に着けている。

 どうせすぐ会うことになる、…とは?

 この時の私は何も理解していない。
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