Hidden love.
 ⋆ ˖ ⏱︎.ᐟ


「やっと、おわった…!」


 式も終わったその日。私達は評価の高いホテルを取り、宿泊し、休む予定だった。

 大樹はベッドに沈み込み、枕に顔を埋めている。私はそんな大樹に少し笑う。

 夕飯も済み、後は入浴して、今日の一日は終了する。左手の薬指には先程交換した指輪が光り輝いていて、思わず口元が綻んだ。

 ハンドメイド。こだわって工場で作ったもの。最初にもらった大樹からのぶかぶかで仕方ないものも、サイズを合わせ大事にしている。


「…いいな」

「ん?」

「昔さ、高校の時、ペアリングしてたの覚えてる? 先生に怒られても俺らの愛の結晶だから! とか言って、恥ずかしがる清花に強引に着けさせて」

「覚えてるわよ。忘れもしない」


 懐かしい話に思わず笑ってしまう。素直に外せばいいのに、大樹はかたくなに外さず、「先生は命より大事な結婚指輪《それ》外せる!? 無理だよな!」なんて言って、面倒くさい生徒すぎる。

 大樹もくすくすと笑い、こちらに慈しむような目線を向けてくる。


「絶対本物にするって決めてた。やっと、叶った」

「寝ころびながら言われちゃ、格好付かないわね…」

「ふふ」


 大樹は笑うと、私に近寄り、手を掬うと指先に口付ける。まるで白馬の王子が、お姫様に忠誠を誓うように。

 それからこっちを見ると、「誓うよ。俺の人生のすべてを使って幸せにするって」と、まっすぐに言葉で伝えられる人。

 人が少しキザで恥ずかしくなるような言葉も、この人は伝えることを惜しまない。そんな彼にほんの少しだけ素直になってもいいかなんて絆されて、私も精一杯の愛を返す。
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