レディ・マーメイド
これだ!
(お、終わった……)
無事に……ではないが、なんとか婚活パーティーは終わり、黒木はヨロヨロと会場を出る。
手にはスタッフから一人一人に手渡された小さなカードサイズの封筒を持っていた。
この中に、参加のお礼としてパレ・ド・フローラのロビーラウンジ割引チケットが入っているらしい。
そして見事カップル成立となった二人には、お互いの連絡先も同封されているとのこと。
二人でこのあと、ラウンジでゆっくりお話をどうぞ、ということなのだろう。
会場を出ると、皆一様に足を止めてそっと封筒を覗いていた。
黒木の封筒は見るまでもない。
誰ともカップル成立とはならなかった。
なにせ、白紙で出したのだから。
封筒の中身を確認した誰もが落胆し、ホワイエは異様なまでに静まり返っている。
どうやら今回のこのパーティーは、1組もカップルが成立しなかったようだ。
と、数人で固まっていた女性達がキッと顔を上げて、ツカツカと黒木に近づいて来た。
「ウッディーさん!」
「は、はい」
「あなた、誰も選ばず白紙でカードを出したでしょう?」
黒木はギクッと顔をこわばらせる。
なぜバレたのだ?
「たとえビビッとくるお相手がいなかったとしても、1番印象がよかった人を選ぶ。それが婚活パーティーのマナーではございませんか? 白紙で出すなど、この場にいる全員に失礼ですわ」
「そ、それは……。申し訳ございません」
そんなマナーがあったとは。
そして白紙がバレるとは。
婚活パーティー、恐るべし。
「ではウッディーさん。改めてロビーラウンジでお話しませんか?」
「えっ!」
数人の女性がにじり寄る。
絶体絶命と思った時、会場の扉が内側から開いて樹莉が顔を覗かせた。
「くっ……ウッディーさま」
「はい!」
「お忘れ物がございます。こちらでご確認いただけますか?」
「もちろん、喜んで」
救いの女神が来たとばかりに、黒木は樹莉に大きく頷く。
「皆さま、本日は誠にありがとうございました。ではこちらで失礼させていただきます」
黒木は女性陣に深々と頭を下げてから、樹莉のあとを追って急いで会場内に戻った。
無事に……ではないが、なんとか婚活パーティーは終わり、黒木はヨロヨロと会場を出る。
手にはスタッフから一人一人に手渡された小さなカードサイズの封筒を持っていた。
この中に、参加のお礼としてパレ・ド・フローラのロビーラウンジ割引チケットが入っているらしい。
そして見事カップル成立となった二人には、お互いの連絡先も同封されているとのこと。
二人でこのあと、ラウンジでゆっくりお話をどうぞ、ということなのだろう。
会場を出ると、皆一様に足を止めてそっと封筒を覗いていた。
黒木の封筒は見るまでもない。
誰ともカップル成立とはならなかった。
なにせ、白紙で出したのだから。
封筒の中身を確認した誰もが落胆し、ホワイエは異様なまでに静まり返っている。
どうやら今回のこのパーティーは、1組もカップルが成立しなかったようだ。
と、数人で固まっていた女性達がキッと顔を上げて、ツカツカと黒木に近づいて来た。
「ウッディーさん!」
「は、はい」
「あなた、誰も選ばず白紙でカードを出したでしょう?」
黒木はギクッと顔をこわばらせる。
なぜバレたのだ?
「たとえビビッとくるお相手がいなかったとしても、1番印象がよかった人を選ぶ。それが婚活パーティーのマナーではございませんか? 白紙で出すなど、この場にいる全員に失礼ですわ」
「そ、それは……。申し訳ございません」
そんなマナーがあったとは。
そして白紙がバレるとは。
婚活パーティー、恐るべし。
「ではウッディーさん。改めてロビーラウンジでお話しませんか?」
「えっ!」
数人の女性がにじり寄る。
絶体絶命と思った時、会場の扉が内側から開いて樹莉が顔を覗かせた。
「くっ……ウッディーさま」
「はい!」
「お忘れ物がございます。こちらでご確認いただけますか?」
「もちろん、喜んで」
救いの女神が来たとばかりに、黒木は樹莉に大きく頷く。
「皆さま、本日は誠にありがとうございました。ではこちらで失礼させていただきます」
黒木は女性陣に深々と頭を下げてから、樹莉のあとを追って急いで会場内に戻った。