レディ・マーメイド
樹莉が黒木からの電話で「全部決着がついた」との報告を受けたのは、8月も終わりに近づいた頃だった。
「樹莉さんを襲った犯人達を裏で操っていた須藤も、その須藤を金で動かしていた金盛も、全員逮捕された。亜門さんが全ての悪事を暴いてくれたんだ。もう樹莉さんに危険が及ぶことはないよ」
「そうなのですね、よかった」
「ああ。それでね、ゴールデンワールドホテルの新社長が、樹莉さんと亜紋さんにせめてものお詫びをしたいから、お食事にお招きしたいって。特に樹莉さんには、巻き込んでしまって申し訳なかったとおっしゃっている」
「そんな、私のことはどうぞお気になさらず」
「それが、どうしても樹莉さんに直接謝罪しなければ気が済まないとおっしゃって。新しい社長は和田さんって方で前副社長だったんだけど、亜紋さんとも親交があってお互いに信頼し合っている。パレ・ド・フローラの支配人のところにも改めてお詫びに行くそうで、もし樹莉さんに今回ご足労願えなければ、その時にぜひお会いしたいって。どうする?」
ええ!?と樹莉は困り果てる。
結局どうやっても会うしかないのなら、亜紋と一緒の方がいい。
「わかりました。では亜紋さんさえよければ、私もご一緒させてください」
「もちろんだよ。亜紋さんはすっかり樹莉さんに会える気でいるし」
「そうなのですか?」
「口にはしないけどね、なんかキリッとしてた。ははっ」
明るく笑う黒木に、どういう意味かと眉根を寄せていると、黒木は「じゃあ、あとで詳細をメッセージで送るね」と言って電話を切った。
「樹莉さんを襲った犯人達を裏で操っていた須藤も、その須藤を金で動かしていた金盛も、全員逮捕された。亜門さんが全ての悪事を暴いてくれたんだ。もう樹莉さんに危険が及ぶことはないよ」
「そうなのですね、よかった」
「ああ。それでね、ゴールデンワールドホテルの新社長が、樹莉さんと亜紋さんにせめてものお詫びをしたいから、お食事にお招きしたいって。特に樹莉さんには、巻き込んでしまって申し訳なかったとおっしゃっている」
「そんな、私のことはどうぞお気になさらず」
「それが、どうしても樹莉さんに直接謝罪しなければ気が済まないとおっしゃって。新しい社長は和田さんって方で前副社長だったんだけど、亜紋さんとも親交があってお互いに信頼し合っている。パレ・ド・フローラの支配人のところにも改めてお詫びに行くそうで、もし樹莉さんに今回ご足労願えなければ、その時にぜひお会いしたいって。どうする?」
ええ!?と樹莉は困り果てる。
結局どうやっても会うしかないのなら、亜紋と一緒の方がいい。
「わかりました。では亜紋さんさえよければ、私もご一緒させてください」
「もちろんだよ。亜紋さんはすっかり樹莉さんに会える気でいるし」
「そうなのですか?」
「口にはしないけどね、なんかキリッとしてた。ははっ」
明るく笑う黒木に、どういう意味かと眉根を寄せていると、黒木は「じゃあ、あとで詳細をメッセージで送るね」と言って電話を切った。