Stellar Express
「おかえり。……また学校で揉め事起こしたんだって? 先生から連絡あったわよ」
担任はスマホも見ながら僕のことを怒る癖に連絡は早い。
洗面所に行って手を洗って、
体操着やらを洗濯機に入れて、
リビングに入った瞬間、
父親がソファに座ってビール缶を片手にスポーツ番組を眺めていた。
あぁ、ワールドカップか。
父親は僕の顔を見るなり深く、露骨であからさまなため息を吐き出す。
「空、お前は昔からそうだ。メソメソして、ウジウジして、男らしくない。
学校のいざこざくらい、上手く受け流して男らしく堂々としてりゃいいんだ。
そんなことでいちいち感情的になって、情けない奴だな」
は?学校の綺麗な道徳の授業はどこ行ったんだよ。
「いじめをしない・させない・ゆるさない」
「見て見ぬふりも、いじめと同じ」
じゃあなかったのかよ。
男らしくない。
情けない。
父親が僕に向ける言葉は、いつもこれだ。
僕が傷ついている理由なんてどうでもいい。
ただ、自分の息子が世間の「普通」から外れて、面倒なトラブルを起こすことが世間体的に気に入らないだけ。
僕を心配しているんじゃない。自分のプライドのために、僕を否定しているだけだ。
そうじゃなかったら、今すぐにでも何故かを言ってほしい。