失恋した夜、三白眼のエリート海上自衛官に恋しました
 合コンだと言ってしまうと絶対に参加しないだろうと、気を利かせてくれたのかもしれない。
 そんな二人の気遣いに、くすっと笑ってしまう。
 
 珍しく定時に仕事が終わり、集合時間よりも十五分ほど早く店の前に到着。
 早めに着いたら入っていてもいいとのことだったので、早速入店すると、すぐに個室に通される。
 看護師三人。相手は海上自衛官らしい。
 美咲の友人経由の紹介だという。

 正直、まだ恋愛をする気分じゃない。
 まぁでも、お話するくらいならたしかに気分転換にはなるかもしれない。
 そう思うようにした。

 それに、あの夜以来、時々思い出してしまう人がいた。
 夜の海と月明かり。
 低い声に、鋭い三白眼。

『笑った方がいい』

 思い出すだけで胸の鼓動が早まって、頬がカァっと熱くなる感覚。
 久瀬洋一さん──
 もう二度と会うことはない。
 連絡先、聞いておけば良かったのかな……。過去の自分に後悔していた。

「ほら、来た来た!」
 はしゃいだような囁く美咲の声で我に返る。
 
「すみません、お待たせしました」
 そう聞こえて開かれた引き戸の向こうには男性三人が立っている。
 反射的にそちらに視線を移したその瞬間。
 心臓が止まりそうになった。

「え……」
 思わずポロリと声が漏れた。
 入ってきた男性の一人は、どう見ても『あの人』だった。
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