モテ男の北原くんは、報われない恋をしている
モテ男の北原くんは、報われない恋をしている
私、今井あやはパソコンの画面を見つめながら、全神経を耳に集中させていた。
少し離れた場所では、私の同期である北原達也が、三つ年上の吉野先輩と立ったまま仕事の打ち合わせをしている。
そして、進捗の確認を終えた北原は、思い出したように口を開いた。
「そうだ。吉野先輩、今日空いてます?」
きた。
北原の言葉を聞いて、私は思わず身を乗り出しそうになる。
興奮する私とは対照的に、吉野先輩はきょとんと目を瞬かせた。
「どうして?」
北原はいつもの雑談の延長みたいな、軽い調子で話を続ける。
「前に気になるって言っていた店、たまたま予約が取れたんですよね」
「うそ。あのお店、半年待ちって噂なのに?」
「知り合いの伝手があって、キャンセル分を回せるって言われたんですよ」
驚いて目を丸くする吉野先輩に、北原はそう説明した。その口調には嫌味も恩着せがましさも、いっさいなかった。
私はふたりのやりとりを盗み聞きながら、手のひらを握りしめる。
私、今井あやはパソコンの画面を見つめながら、全神経を耳に集中させていた。
少し離れた場所では、私の同期である北原達也が、三つ年上の吉野先輩と立ったまま仕事の打ち合わせをしている。
そして、進捗の確認を終えた北原は、思い出したように口を開いた。
「そうだ。吉野先輩、今日空いてます?」
きた。
北原の言葉を聞いて、私は思わず身を乗り出しそうになる。
興奮する私とは対照的に、吉野先輩はきょとんと目を瞬かせた。
「どうして?」
北原はいつもの雑談の延長みたいな、軽い調子で話を続ける。
「前に気になるって言っていた店、たまたま予約が取れたんですよね」
「うそ。あのお店、半年待ちって噂なのに?」
「知り合いの伝手があって、キャンセル分を回せるって言われたんですよ」
驚いて目を丸くする吉野先輩に、北原はそう説明した。その口調には嫌味も恩着せがましさも、いっさいなかった。
私はふたりのやりとりを盗み聞きながら、手のひらを握りしめる。
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