いじわるな指先に惑わされる恋なんてしたくないです!
「蓮見さん何にする?」

前からサッとメニューを渡されたから宇佐美さんを無視して受け取った。

1杯目のドリンクはどうしようかなぁ…
みんなお酒、だよね?1杯目ぐらいは飲む、か。

せめて乾杯くらいはしなくちゃって、軽めのお酒を頼もうと思った。

「じゃあカシっ」

「ウーロンハイでいいよね」

え?

なぜかにこりと微笑んだ宇佐美さんがこっちを見てた。

「蓮見にウーロンハイ1つ」

え、ちょっと待ってちょっと待って!何勝手に頼んでるんですか!

飲みやすいカシスオレンジぐらいにしようかと思ったのに横から遮るように入り込んだ宇佐美さんのオーダーが通ってしまった。
頼むだけ頼んどいて焼き鳥に手を伸ばした宇佐美さんはもぐもぐと頬張っている。

え、何?どうゆうつもり??

…あ、それってもしや、飲まそうってこと!?

私がお酒苦手と知ってて、酔い潰してやろうってやつなんじゃ!


それが今日の下僕の役目…!!



性格悪ッッッ



お待たせしましたーっとすぐにウーロンハイが運ばれてきた。
私が頼んだ、ってことになってるから言わずもがな私の前にグラスが置かれた。

いいんだけど、飲めなくはないし。
別にちょっとくらい飲めるから別に…と隠せない苛立ちと共にグラスを手にした、つもりだった。

「蓮見はこっち」

スッと目の前のウーロンハイが白くて細くて長い指先に捕らわれていく、カランと氷が音を立てながら。
代わりに宇佐美さんの前にあったグラスが私の手元にやって来た。

誰にも気付かれないよう、さり気なく。

「それ、ただのウーロン茶だから」

…ただのウーロン茶?

パッとグラスから宇佐美さんの方へ視線を変えると私の方は見てなくて、ウーロンハイが高く掲げられていた。
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