いじわるな指先に惑わされる恋なんてしたくないです!
そっと頬に触れた、宇佐美さんの手のひらが私の頬を包み込む。

嫌にでも目が合って、逃げられなくて。 

そのままそぉーっと宇佐美さんの指先が唇を、撫でた。


ドキドキ、うるさい。

心臓が体中を支配する。


ううん、宇佐美さんの指先に支配されてる。



熱くて仕方ないー…



「次、その顔したら俺のものにするから」


あと少し、ほんの少し。

もう少しで触れるかと思った、宇佐美さんの唇と。


それくらいの距離だった。


その間は宇佐美さんの指1本分、まるで寸止めされたみたいで。


私から離れていく…


「言うこと聞けよ」


ふっと笑った。

なんだかその笑い方は気になった、まるであざ笑うかのように私を見てるから。


「俺の下僕なんだから」


…あ、あぁぁぁーーーーーーっ!


勝ち誇った顔で歩き出した、私を置いて。
その背中は軽く、どう見てもどう考えてもお酒になんか酔ってない。


からかってたんだ、あれは私をからかって…

そんなのわかってたけど、止められなかった。


止めてなんかほしくなかった。


唇が熱い、宇佐美さんが触れた箇所がまだ熱を持ってる。


…所詮下僕ですけど、いいように使われて捨てられるんでしょ。

そんなことだってわかってるのに…っ

「蓮見!」

前を歩いていた宇佐美さんが立ち止まった、くるっと振り返ってにこりと笑う。


「俺以外にその顔したら許さないから」


そう、にこりと笑って…

「!?」

そんな顔しないし、してるつもりもないし、宇佐美さんにだって…!

「しませんっ!!!」


絶対に、きっと…

たぶん。
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