地味な私が人気者の幼なじみに溺愛されています。
喉が鳴る。
唾を飲み込む音さえ大きく感じた。
沈黙が長い。
ほんの数秒のはずなのに、永遠みたいだった。
風が吹き、校舎裏の木々がさらりと揺れる。
その音だけがやけに鮮明に耳に届いた。
私は無意識に制服の裾を握りしめる。
手のひらにはじんわり汗が滲んでいた。
「花梨。」
もう一度名前を呼ばれる。
優しい声だった。
昔から聞き慣れているはずなのに、今日は特別に聞こえた。
胸の奥がぎゅっと締め付けられる。
怖いのに、目を逸らせない。
聞きたい。
知りたい。
その先の言葉を。