無気力御曹司さんが私を離してくれませんっ!
―ガラガラガラ!


「すいません遅れました!」



「如月さん。遅刻ギリギリですよ。」

この先生は学年で一番、いや学校で一番人気があるといっても過言ではない。遅刻しても怒らないし、注意ですませてくれる。かといって怒らないかといわれれば違う。

いじめ、暴力などはマジで怖い。感情がほぼ無い私がいうんだから間違いはない。はず。

しかも……顔がめっちゃいい。髪は長いけど、バレッタで留めてるからスッキリしてる。

「すいません。」


「じゃあ席に座ってね~。」


めちゃめちゃ優しい。それしか言葉が思い浮かばない。でも優しすぎないから好かれるんだろう。小1みたいな扱いでもないから。


「はいじゃあ朝会に向かいますよ~。静かに一列で並びましょう。」


――――――――――――――――――――――


「はい、じゃあこれで私からは終わります。」


や、やっと終わった……。話聞いてただけなのに……疲労感が……ヤバイ。汗だくだし……。

教室に帰ってきたときに先生が、


「今日から転校生が来ました!仲良くしてあげてね!!」



とウキウキした声で言った。

いーやいやいや、え?まさか……交差点の時の?いや中3とかかもしれないし……背、高かったし。

しかも朝礼の後にか。まあ転校生だし、色々あるのかな?

しかも学校(ココ)って結構な学費だった気が……。私はこの学校の『転入試験』を満点を取ったから学費¥0。まぁ親と別居は先生たち知ってるから元々¥0予定だったらしいけど。

「じゃあ入ってきて~」


―ガラガラガラ


「どーも」

……予想大的中!交差点の人だー!と、自分の心の中でスゴい棒読みをしてからふと転校生の顔を見た。


「どうも。水無瀬海斗です。特に仲良くしなくていいです。」


―顔面偏差値∞?は?って思うかもしれないよ。でもね?ヤバイぐらい顔が整いまくり。だって。海みたいな透き通った青い切れ長の目!そしてめちゃくちゃ綺麗な黒色の髪!


「は~い仲良くしてあげてね~!」



セ、センセイ?仲良くしなくていいですって言ってるよ?ポジティブにも程があるでしょ……。


「先生、別に仲良くしてもらわなくても大丈夫です。」


度胸あるなぁと感心していたけど……冷静に考えてマズくない?先生だよ?



「あらそう?んー、じゃあ丁度いいし、いまから席替えして、ペア学習で仲を深めて!」


先生、自分がそれ転校初日にされたらこの学校何なんだ……ってなりません?だいじょぶですか?



「じゃあこの図通りに机動かして~!」


席替えは決定ね?OK。適応能力が高くてよかった……。

よし、私は……席が1つずれただけ。で、隣がえーっと、水無瀬海斗さんっと。

……私の隣が転校生か。恋愛小説みたい。
ま、恋愛に発展とか、しないだろ。
海斗さんも仲良くするなオーラヤバイし。


「よろしく。」


……え?え?えーーー!!!!?????なんでなんで?
何でこんなイケメンサンが地味女代表みたいな私に話しかけてるのか……。
完全なる変人だ。頭の上にはてなマークが飛び交った……が。

よろしくねと言われて返さないのはさすがにか……?


「よ、よろしくね…。」


「なんか冷た。」


こんな地味女に優しくされてもなんとも思わないくせに……。
とりあえずまぁ返事だけでもしとくか。



「いや、これが普段だから……。」


「そ。」


よし。やっとおしゃべりが終わ……


「はい、じゃあペア会話タイムで~す!!」


せ、先生、せめて言い終わらせてほしかった……。

ペア会話とは、うちのクラス独特のイベントである。

決まったお題や自由に作ったお題に沿って10分間おしゃべりするのだ。ハッキリいってマジで最悪。いいことってある?



「は~いじゃあ水無瀬くんは乃愛ちゃんとね!」


先生……。合気道でぶちのめそうかな……。いや……騒ぎ起こしたら……。ぅうさすがにマズい……?マズそう……。


「…………。」


「………………。」 


よし!!!ここは相手も喋ってないし……10分耐えしのごう。


「あら、水無瀬くんとは話しにくい?」


先生、気遣いどーも。
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