君といた日々。
5
その場に少しの沈黙が流れる。

「…」

「確かに、人魚は人を食べるという噂をたてたのは人間です。本当にごめんなさい。でも、僕はただフィオナっていう女の子…友達と、仲良くしたいんです。初めて…初めてずっと友達でいたいって思えたんです。お願いします。」

僕は、深く頭をさげた。

フィオナが少し慌てているのを感じる。

頭の上から凄いため息が聞こえた。

「だからといって、お前と仲良くさせるのは、」
「お母さんはいいよって。おばあちゃんも、ひいおばあちゃんも。それに、大おばあちゃんも仲良くしなさいって言ってる。」

「…」

「?!」

僕は、フィオナの言ったことに戸惑っていた。

大おばあちゃん?失礼だけど、歳はいくつなのだろうか。

頭の中で色々と考えていると、オールさんが口を開いた。

「…分かった。だが、フィオナを傷つけた時は離れてもらう。」

そう言うとオールさんは、僕達に背を向け帰っていった。

「…ふ〜…」 

肩の力が抜け、緊張の糸が解けた。

「よ、良かった…」

フィオナも安堵している。

「じゃあ、行こっか!」

にこっと、いつもの笑顔を見せながらそう言うと、フィオナはまた僕の手を握り、泳ぎ始めた。
< 21 / 28 >

この作品をシェア

pagetop