限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。
「悪かった。悪かった……俺は君の状況を知っている。若い令嬢が一人でいきなり母親が亡くなり、父親がおかしくなった。幼い跡継ぎの弟を、それでも守らねばなかなかった。どれだけ追い詰められたか、それを聞くだけで知れる。本当に、悪かった……ローレン」
「いいえ……私だってお父様はおかしくなってしまったと思っていた。けれど、薬を打たれていたなんて思ってもみなかった……イーサン。お父様をこんな風にした犯人を捕まえたい。泣いて嘆いていても、絶対に元通りになんて、ならないもの」
私は袖で涙を拭うと、息を整えてそう言った。そうだ。私はここ数年で、痛いほどに味わったはず。泣いて嘆いていても、事態は何も変わらないんだって。
もし何かが変わるとしたなら、それは自分で変えたいと思った時だけなんだって。
「……なぁ、この人は元々、貧乏子爵家の次男だったよな? 侯爵としての仕事は置いておいても、妻がなくなったから賭け事にはまった? ……では、彼に賭場を教えたのは誰だ? 賭場は大体紹介制だ。誰か知り合いが居ないと入れない」
「いいえ……私だってお父様はおかしくなってしまったと思っていた。けれど、薬を打たれていたなんて思ってもみなかった……イーサン。お父様をこんな風にした犯人を捕まえたい。泣いて嘆いていても、絶対に元通りになんて、ならないもの」
私は袖で涙を拭うと、息を整えてそう言った。そうだ。私はここ数年で、痛いほどに味わったはず。泣いて嘆いていても、事態は何も変わらないんだって。
もし何かが変わるとしたなら、それは自分で変えたいと思った時だけなんだって。
「……なぁ、この人は元々、貧乏子爵家の次男だったよな? 侯爵としての仕事は置いておいても、妻がなくなったから賭け事にはまった? ……では、彼に賭場を教えたのは誰だ? 賭場は大体紹介制だ。誰か知り合いが居ないと入れない」