限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。
 世界でも有名な彼女ほどの人が公式に国に出入りすれば、こちらの国もあちらの国もそのために多くの人員を割くことになるだろう。だから、一応はお忍び。けれど、非公式だとしても主張の強い姫君であることは隠せない。

 つまり、半年前ほどにかの高貴な女性はギャレット様のことを気に入り、無理にでも彼との婚約の交渉を押し進めようとしたらしい。

 予定外の事態に焦った王妃様は、自分の姪が成人するまでの短期間ギャレット様の婚約者の席を埋めるだけの人材を慌てて探した。

 それが、私。

 元々側妃だった彼女は、実家の政治力を高めるために自分の姪ペルセフォネ嬢を、前王妃の息子ギャレット様と結婚させるおつもりだった。

 既に正式な婚約者さえ居るのなら、大国のお姫様を正妃としてではなく、側妃として迎えられる訳もない。許されない状況に、彼女はギャレット様を諦めるしかなかった。

 とは言え、こうして客席で見ているだけでも良いと思っているのなら、彼女の恋心は本物なのかもしれない。

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