限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。
男の癖に女々しい趣味だと言われそうだが、数年前に亡くなった母がこれを弾くのが好きだったので、俺も彼女と一緒に演奏したものだ。
気苦労の絶えない王妃に向いていなかった母が泣いている時には、俺は何も言わずに月琴を弾いて慰めた。あまり器用な性分でもなくそう上手くはなかったが、優しい音色を聞くと泣くのを止めて笑ってくれたものだった。
「おい。ギャレット……彼女は周囲を見回した。泣き止んでいる」
ガレスも身を潜めているものの、木から大きな体がはみ出してしまっている。近くに来て彼の姿を見れば、滑稽に思われるかもしれない。
「どうだ……笑ったか?」
「ああ。手巾で涙を拭って、微笑んでいるようだ……良かったな」
俺も彼女が笑う光景が見たかったのだが、ローレンがここを去るまでは弾いていたかった。彼女の顔を見るためには立ち上がらなければならず、それでは音色が途切れてしまう。
「笑ってくれたなら、それで良いんだ……こんな場所で泣いているなんて、何かあったらどうするつもりなんだろうな」
気苦労の絶えない王妃に向いていなかった母が泣いている時には、俺は何も言わずに月琴を弾いて慰めた。あまり器用な性分でもなくそう上手くはなかったが、優しい音色を聞くと泣くのを止めて笑ってくれたものだった。
「おい。ギャレット……彼女は周囲を見回した。泣き止んでいる」
ガレスも身を潜めているものの、木から大きな体がはみ出してしまっている。近くに来て彼の姿を見れば、滑稽に思われるかもしれない。
「どうだ……笑ったか?」
「ああ。手巾で涙を拭って、微笑んでいるようだ……良かったな」
俺も彼女が笑う光景が見たかったのだが、ローレンがここを去るまでは弾いていたかった。彼女の顔を見るためには立ち上がらなければならず、それでは音色が途切れてしまう。
「笑ってくれたなら、それで良いんだ……こんな場所で泣いているなんて、何かあったらどうするつもりなんだろうな」