限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。
「僕とローレンは、変な関係性だ。こうして会っているとまるで浮気をしているようだが、何も知らない王太子より僕の方が君を束縛する権利があるというのに」

「イーサン。王妃様はなんて?」

 私はイーサンの軽口を無視して、自分が知りたかったことを聞いた。

「王太子に見られたあの時に、僕に出会ったことにすれば良いと。それから偶然の出会いを何度も重ねて、僕たちは愛を深めるという訳だ」

 隠すべきギャレット様にはイーサンと私が会っているところを見せてしまっているから、無関係でいるのもおかしい。これから、イーサンとは公の場で会えば仲の良い関係でいなければ、この先の展開がおかしくなってしまう。

「そうね……私も王太子妃の立場の重圧から、逃げ出したことにするわ。そうすれば、自分から望んだ場所に居たというのに、他の男性を選び逃げ出したとんでもない卑怯者の出来上がりね」

 私は彼の対面の席へと座り、いつものように人を食った笑いを浮かべたイーサンに言った。

「やれやれ。そんなに強がらなくても良いだろう。父や弟のために、君も大変だね。同情するよ」

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