限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。
それも仕方ない。誰だってその立場にあらねば、誰かの苦しみを理解することなんて、不可能だからだ。
「まあ、イーサン。貴方ってもしかして、おとぎ話の終わりにある、二人はそうして幸せに暮らしましたを信じているの? 人として生活していれば、誰だって悩んだりするわ。それに、衣食住の悩みがなければないで、新しい悩みが出来るものよ。人はきっと、お金があろうと何があろうと永遠に満たされることがないのではないかしら」
私は特に、彼に嫌味も言ったつもりもない。ただ自分の思ったことを言っただけなんだけど、イーサンは楽しそうに笑った。
「ははは。悪かったよ。ローレン。嫌な言い方をした。だが、生きるか死ぬかの貧乏生活からのし上がった俺は、どうしても貴族の抱えている悩みが小さく思えるんだ。生存に関する悩みがないなら、抱えている小さな悩みを大きくしてしまうのかもしれないな」
「そうね……私はきっと恵まれているのよね。親が作った巨額の借金を背負い、後妻の話を受ける寸前に王太子の婚約者の振りを一年続ければ借金は帳消し、弟の侯爵位も保証してくれると言われた」
「まあ、イーサン。貴方ってもしかして、おとぎ話の終わりにある、二人はそうして幸せに暮らしましたを信じているの? 人として生活していれば、誰だって悩んだりするわ。それに、衣食住の悩みがなければないで、新しい悩みが出来るものよ。人はきっと、お金があろうと何があろうと永遠に満たされることがないのではないかしら」
私は特に、彼に嫌味も言ったつもりもない。ただ自分の思ったことを言っただけなんだけど、イーサンは楽しそうに笑った。
「ははは。悪かったよ。ローレン。嫌な言い方をした。だが、生きるか死ぬかの貧乏生活からのし上がった俺は、どうしても貴族の抱えている悩みが小さく思えるんだ。生存に関する悩みがないなら、抱えている小さな悩みを大きくしてしまうのかもしれないな」
「そうね……私はきっと恵まれているのよね。親が作った巨額の借金を背負い、後妻の話を受ける寸前に王太子の婚約者の振りを一年続ければ借金は帳消し、弟の侯爵位も保証してくれると言われた」