限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。
 必死でしがみ付き自分の力だけで、この苦境を乗り越えなければ……こんな状況で誰も頼りになんて、出来ないんだから。

 ギャレット様の一時的な婚約者として、完璧に振る舞うだけなのに。そうしたら、何もかも全部上手くいく。

 唯一の救いの道を掴んだのに、ここで無様に失敗なんて、許されない。

「おい。ローレン。もう良い加減にしてくれ……俺に構ってくれないと、女遊びするぞ!」

 もう我慢ならないといった様子で、そう言ったギャレット様。女性に耐性のない硬派な彼にしてみると、踏み込んだ言葉を使われた。

 ムッとして拗ねていたとしても、整った顔になんの支障もない。可愛い。

 こういう少し子どもっぽいところだって、ギャレット様の魅力なのだ。真面目な人だから、驚いた私をからかっている様子なんて全くない。

 女性関係には疎く真面目な性格で、良くわからない対応をする婚約者の本音を引き出すために、彼なりに必死で考えた言葉だったのだと思う。

 けれど、ギャレット様のそういう気持ちには応えられない私は、こう答えるしかない。

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