限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。
 床に倒れていた私は感心して彼を見上げていたんだけど、何故か目に見えて狼狽して顔を赤くしていた。

「わっ……ごめんっ!」

 ギャレット様はパッと手を上げて、まるで降参するかのような体勢になった。今、彼が謝るべき点が全くわからなかった私は、何故なのだろうと真剣に考えてしまった。

 え。ギャレット様って、今謝るところあった?

 ……あ。さっき、胸に何かが当たっていた気がする。もしかして、庇った時に私の胸を触ってしまったのかもしれない。

 ギャレット様が謝罪した理由を知り、私は大丈夫だと伝えるために微笑んで頷いた。

「庇ってくれて、ありがとうございます。あの、気にしないでください。ギャレット様が故意に触った訳ではないことは、私も理解しています」

「っ気にするよ! 待ってくれ。何故、ローレンはそんなに平静な態度なんだ?」

「……え? 大丈夫ですよ。胸くらい。弟のクインも、ふざけて触ったりしましたよ」

 クインは物心ついた頃から母が病気で、乳母と私が育てたようなものだった。

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