アタタメマスカ?
朝方さんは、迷う素振りも見せずに即答した。

「同じ匂いがしたから」

「え」

匂い?

「僕、語彙力ないけど、真幌さんと僕は同じ(おり)を持ってるって思った」

澱……。
心に沈むものていう意味?

それは、私が夜の世界に生きる人に安心感と持っていたのと同じ?

意外な答えに、また言葉を失っていると、朝方さんは、私の顔に張りついた髪をそっと耳にかけて続けた。

「何かを諦めてしまった想い、でも本当は諦めてない想い」

――良くわからなかったけれど。

「僕には分かる」

朝方さんの目を見ていたら、こんな私でも変われる気がした。

「ミャアァー」

今度は大きな鳴き声がして、橋の下を見ると、いつの間にか、子猫に親猫らしきモノが寄り添っていた。


「一緒に、取り戻そう」




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