姫の花道

プロローグ

《稀有な運命を持つ姫君。姫が手を取る相手は、世界を繁栄に導く王となるであろう》

 わたしが生まれたその日、大きな星が流れて、月の国イクストゥーラだけではなく、砂漠でも草原でも「ここより歴史が変わる」と予見されたのだという。

 世界のいずこかに覇王を選ぶ姫が生まれ落ちた。
 姫は動乱の時代の勝者を見抜く者であり、姫に選ばれた者が覇権を取ることになる。

 雲を掴むような話――

 月の国から遠く離れた土地であっても、その時期に生まれた女子を一応は調べたりはしたものの、いったいどこの誰のことかついぞ知ることはできなかった。
 ただ月の国だけが正確な事情を掴んでいた。

 セリスこそが、予言の姫君である、と。

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