ライオンのサーカス


 モネ達はまっすぐ歩いて来て、やがてさっき駐車場から見えていたお城の庭に出た。

 赤い橋の下、たゆたう水は静かに光っている。


「水を触りましょう」


 サヤが言ったので、モネ達は赤い橋を渡った。

 モネが池をの水を触ると、水の底の方から黒い影が、だんだん、だんだん濃くなってきた。

 咄嗟で、モネは何が起きたのかよく分からなかった。

 あっと思う間もなく、黒い大きな影は水飛沫を撒き散らしながら池から飛び出すとモネに襲いかかった。


 ────おかしい。お城なんかにモンスターが居るはずが。


 最初に杖を構えたのはカナトだった。

 光の矢を放ち、モネを庇って応戦する。

 続いてシロウも杖から光の矢を放つ。

 モネも遅れて応戦した。


「ウガァァァァァアアッ」


 カナトの放った矢が直撃し、モンスターが苦しんで体を浮き上がらせた。
 シロウが止めを刺そうと放った矢が、黒い色の強固で頑丈そうな魔法の盾に阻まれた。


「!?」

「そこまで。」


 扇で口元を隠したサヤが口を開いた。


「襲わせたのはわざとで、この水龍、私のペットですの。」

「ご無事でしたか!?」


 お城の中から、アキトと使用人達がハアハア言いながらやって来た。


 アキトが息を整えながら言った。

 
「妹は、強い方が好きなのです」

「いつもそうなんです」


 使用人が言った。


「城に来る魔法使いの貴族たちを襲わせたり、止めに入るアキト様を水龍に食わせると脅したり……」


 目をまん丸にしたモネ達に、サヤはにこにこしながら言った。

 
「私達、仲良くなれそうですね」



 ────とんでもないお姫様に捕まってしまった。
 



 
 
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