ライオンのサーカス
 


 カナトとモネはまず桜を見に商店街を抜けて公園へ行った。

 城下町の大きな公園では、桜が今満開だった。

 はらはらと舞う桜吹雪の中を、モネとカナトは手を繋いで歩いた。


 
「モネ、お前、花びらついてるよ」


 カナトはそう言うとモネの頭を軽く払った。
 その動作はちょっと乱暴だったが愛情に溢れている。
 カナトはモネの事を、いつも世界で一番のフィアンセだと思っているのだ。
 


「桜って、満開だとこんな綺麗なんだ」


 モネが桜を見あげながら言った。

 
「ほんと。あー団子が食いたくなってきた。どっかで売ってないかな。」


 カナトが言った。

 
「食べもののことばっか」

「花見には団子だろ。ただ沢山食う気はしねえな。2.3本食いながら見たい感じ。」

「こんなに綺麗な桜、初めて見る」

「お前は気に入るとなんでも初めてにしちゃうだろ。」

 

 カナトは何か考えているようでしばらく目を細めて桜を見ていた。


「もしこれより綺麗な桜を見に連れて行ってやったら、ちゃんと僕を選んでくれる?」


 カナトが聞いた。
 その横顔は、ちょっとだけ思い詰めている様だった。
 しかし、モネが何か返す前に、カナトは、自分で


「冗談。僕以外を選ぶなんてあり得ない。モネは永久に僕のもので浮気はなし。当然。」


 ときっぱり言ってふんと鼻で笑った。
 



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