可愛い後輩の天使くんはあざと狼でした
スマホが突然、けたたましく鳴り響いた。

「うわ、ごめん……ちょっと出るね」

萌は慌てて席を立ち、店の外へ向かう。残された私はハイボールを口に含みながら、ぼんやりと彼のことを考える。
もし、あのふわふわした小型犬みたいな可愛い彼に“私の知らない二面性”があるとしたら?どんな顔なんだろう。正直、想像がつかない。そんなことを考えていると—

「胡桃!ごめん!」

萌が息を切らして戻ってきた。

「お父さんが階段から落ちて骨折したらしくて……帰らないと!」

深々と頭を下げる。

「え!?大丈夫?」

「うん、とりあえずこれから病院向かうことになった。
ほんとごめん!また今度埋め合わせする!」

「いいよいいよ!全然!
早く行ってあげて!」

「てんしくんと進展あったら教えて!
私は激重監禁系希望だから!」

萌が笑いながら言う。

「やめて。あれは二次元だからいいんだから」

そう返して手を振る。萌は急いで店を出ていった。
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