可愛い後輩の天使くんはあざと狼でした
「中入って……
酔い覚めたら朝帰ればいいよ」

そう言って、彼を部屋に招き入れた。

「……はい」

「ねぇ、私シャワー浴びてくるから。
その間に水、飲んでおいてね」

ペットボトルを手渡す。言われた通りに水に口をつけたことを確認して脱衣所に向かう。シャワーを浴びて着替えて戻ると、テーブルに置いてあった雑誌をあまつかくんがそっと閉じたところだった。……見たのか。まあ、見られて困るものでもないけど。

「あまつかくんもシャワー使う?服もあるよ?」

そういうと、一瞬目を丸くしたが、

「ありがとうございます。借ります」

そう言って、すっと立ち上がる。
——あれ?さっきまであんなに項垂れてたのに、わりと普通に歩けてる?まあ、いっか。

雑誌をスッと開く。付箋を貼ってあるページには、うさぎのぬいぐるみを抱えて可愛く笑う薫くん。そして袋綴じの中には、手錠をちらつかせる“監禁激重系”の薫くん。
……たまらん。
そんなことを思っていると——

「服、ありがとうございます。
これって……彼氏?水野先輩のとかですか?」

タオルを被ったまま、鋭い視線が向けられた。

「なんで水野先輩。
部屋に入れたことないよ。
彼氏もいないし。それ弟の」

「弟……でかくないですか?」

あまつかくんが着ると、少しタボっとしたTシャツとズボン。

「あー、うちの弟185センチあって、大学でバスケやってるの」

「……あー、そうなんすね」

あまつかくんは視線をそらしながら、どこかホッとしたような複雑な表情。
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