君の隣。 〜一番愛した人の裏切り、泥沼のモラハラ彼氏。傷だらけの私を最後に救ったのは、出会って10年、ずっと私だけを思い続けてくれた「親友の元彼」でした〜
共闘の約束
カランコロン、とカフェの扉が開き、私服に着替えた明里が店内に入ってきた。
私と柊の姿を見つけると、パッと明るい笑顔で駆け寄ってくる。
「柊くん、柚那ー! お待たせ! 片付け思ったより早く終わったよ!」
「お、明里ちゃん。お疲れ」
「じゃあ柚那、行こっか! 柊くん、今日は急なお願いだったのに、本当にありがとね!」
明里はスマートに私を立ち上がらせ、柊に引き留める隙も与えずに私を外へと連れ出してくれた。
カフェを出て、柊の姿が見えなくなるまで歩いたところで、明里はすぐさまタクシーを拾った。
乗り込んだ車内ではお互いに無言のまま、明里は言葉もなく、ただ静かに私の横に寄り添ってくれていた。
やがてタクシーが停まり、明里は人目を避けられるような、静かな個室のある小さなお店へと私を案内してくれた。
奥の個室に入り、静かにドアが閉まる。
私は向かいの席に座ると、胸の中にずっとつっかえていた申し訳なさから、小さな声で口を開いた。
「明里……こんなことになっちゃって、ごめんね。明里の職場、迷惑かからなかった……?」
私がそう口にすると、明里は一瞬驚いたように目を見開いた。そして、私を安心させるようにパッと明るい笑顔を浮かべて首を振った。
「なに言ってるの! 今日の見学客の人たちから挙式の相談も予約もバッチリ入ったんだよ! 全部柚那のおかげだよ! ゆずなの! ね!」
私の名前を意図的に強調しながら、おどけるように笑ってくれる明里。
その優しさに、緊張で固まっていた胸の奥が、少しだけ解けていくのが分かった。
やがて運ばれてきた温かいドリンクを一口含んだあと、明里の表情がすっと真剣なものへと変わった。
「……柚那。さっきの続き、話せるところまででいいから……聞かせてくれる?」
まっすぐに見つめてくる親友の瞳。
私は意を決してポツポツと、あの夜の出来事を語り始めた。
あの日、別れを告げたら柊が急に激怒して、リモコンを投げつけられたこと。
逃げようとしたらスマホを奪われ、無理やり目の前でLINEを送信させられたこと。
私を見下ろし、圧倒的な力でねじ伏せて、無理やり身体を重ねてきたこと。
話を終える頃には、私自身も気づかないうちに視界が滲み、ボロボロと大きな涙が頬を伝って落ちていた。
「最低……っ。柚那、ずっと一人で怖かったよね……」
私の話を聞き終えた明里の瞳には、静かで激しい怒りが宿っていた。テーブルの上で固く握りしめながらも、取り乱すことなく私をまっすぐに見つめてくる。
「うん……。あの日からこれからどうしていこうか一人でずっと悩んでたから、こうやって明里に聞いてもらえて本当によかった……」
私の言葉に、明里は深く息を吐き、毅然とした態度で頷いた。
「そっか……。下手に刺激して逆上されたら危ないから、柚那の取った行動は正解だったと思うよ。ねえ、どうやったらあいつと安全に縁を切れるか、これから一緒に考えよう?」
親友の凛とした言葉と優しさが、暗闇に閉ざされていた私の心に、確かな希望の光を灯してくれた。
自分を責める必要なんてなかったんだ。
もう、一人で怯えるだけの日々は終わりだ。
私は深くうなずき、柊との歪んだ関係を断ち切るための、静かな一歩を踏み出した——。
読んでいただきありがとうございます!
明里にすべてを打ち明け、一人じゃないと知った柚那。決意を固めた彼女のもとに、次回、思わぬ展開へ……!?ぜひ【本棚登録】をして、更新を楽しみにお待ちいただけると嬉しいです🌸
私と柊の姿を見つけると、パッと明るい笑顔で駆け寄ってくる。
「柊くん、柚那ー! お待たせ! 片付け思ったより早く終わったよ!」
「お、明里ちゃん。お疲れ」
「じゃあ柚那、行こっか! 柊くん、今日は急なお願いだったのに、本当にありがとね!」
明里はスマートに私を立ち上がらせ、柊に引き留める隙も与えずに私を外へと連れ出してくれた。
カフェを出て、柊の姿が見えなくなるまで歩いたところで、明里はすぐさまタクシーを拾った。
乗り込んだ車内ではお互いに無言のまま、明里は言葉もなく、ただ静かに私の横に寄り添ってくれていた。
やがてタクシーが停まり、明里は人目を避けられるような、静かな個室のある小さなお店へと私を案内してくれた。
奥の個室に入り、静かにドアが閉まる。
私は向かいの席に座ると、胸の中にずっとつっかえていた申し訳なさから、小さな声で口を開いた。
「明里……こんなことになっちゃって、ごめんね。明里の職場、迷惑かからなかった……?」
私がそう口にすると、明里は一瞬驚いたように目を見開いた。そして、私を安心させるようにパッと明るい笑顔を浮かべて首を振った。
「なに言ってるの! 今日の見学客の人たちから挙式の相談も予約もバッチリ入ったんだよ! 全部柚那のおかげだよ! ゆずなの! ね!」
私の名前を意図的に強調しながら、おどけるように笑ってくれる明里。
その優しさに、緊張で固まっていた胸の奥が、少しだけ解けていくのが分かった。
やがて運ばれてきた温かいドリンクを一口含んだあと、明里の表情がすっと真剣なものへと変わった。
「……柚那。さっきの続き、話せるところまででいいから……聞かせてくれる?」
まっすぐに見つめてくる親友の瞳。
私は意を決してポツポツと、あの夜の出来事を語り始めた。
あの日、別れを告げたら柊が急に激怒して、リモコンを投げつけられたこと。
逃げようとしたらスマホを奪われ、無理やり目の前でLINEを送信させられたこと。
私を見下ろし、圧倒的な力でねじ伏せて、無理やり身体を重ねてきたこと。
話を終える頃には、私自身も気づかないうちに視界が滲み、ボロボロと大きな涙が頬を伝って落ちていた。
「最低……っ。柚那、ずっと一人で怖かったよね……」
私の話を聞き終えた明里の瞳には、静かで激しい怒りが宿っていた。テーブルの上で固く握りしめながらも、取り乱すことなく私をまっすぐに見つめてくる。
「うん……。あの日からこれからどうしていこうか一人でずっと悩んでたから、こうやって明里に聞いてもらえて本当によかった……」
私の言葉に、明里は深く息を吐き、毅然とした態度で頷いた。
「そっか……。下手に刺激して逆上されたら危ないから、柚那の取った行動は正解だったと思うよ。ねえ、どうやったらあいつと安全に縁を切れるか、これから一緒に考えよう?」
親友の凛とした言葉と優しさが、暗闇に閉ざされていた私の心に、確かな希望の光を灯してくれた。
自分を責める必要なんてなかったんだ。
もう、一人で怯えるだけの日々は終わりだ。
私は深くうなずき、柊との歪んだ関係を断ち切るための、静かな一歩を踏み出した——。
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