二人だけの秘密
でも突然、私の人生が一変した。
ある日の朝、いつも通りに出社し、仕事をしようとしたら、偉い人が朝礼の挨拶にやってきた。
どうやら別の支店から異動してきた男性社員がいるとのこと。
最初は異動なんて大変だな…と他人事に思っていたのだが、その男性社員が喋り始めた瞬間、一気に彼に心を奪わられた。
「九条 慶一郎です。大阪支店から異動してきました。本日よりよろしくお願いします」
九条さんの声は私の理想の声そのもので。まさかこんな身近に理想の声の持ち主が存在しているとは夢にも思わなかった。
私の心は浮き立っていた。CDから聴こえてくる良い声とは違い、生で聴ける良い声は格別だった。
どうしよう。これから毎日無料で良い声が聴き放題なのかと思ったら、気が狂いそうだ。
これから正気を保って仕事をできるか不安だが、表面上は上手く誤魔化さなければならない。
心に誓った。九条さんには近づかないと。良い声が無料で聴き放題というこの状況に感謝すべきだと…。
私の九条さんへの評価は声のみだが、他の女性社員は違った。
三十二歳、独身。イケメンで、長身で、温和な雰囲気で優しく話しかけてくれるため、九条さんを狙う女性社員が多かった。
私のような芋女が、九条さんのようなハイスペック男性に声をかけるのは恐れ多すぎて、近寄ることすら許されない雰囲気だ。
ただ遠くから彼のことをずっと見守っていた。
私は九条さんの声が堪能できれば、それ以外は要らなかった。
ある日の朝、いつも通りに出社し、仕事をしようとしたら、偉い人が朝礼の挨拶にやってきた。
どうやら別の支店から異動してきた男性社員がいるとのこと。
最初は異動なんて大変だな…と他人事に思っていたのだが、その男性社員が喋り始めた瞬間、一気に彼に心を奪わられた。
「九条 慶一郎です。大阪支店から異動してきました。本日よりよろしくお願いします」
九条さんの声は私の理想の声そのもので。まさかこんな身近に理想の声の持ち主が存在しているとは夢にも思わなかった。
私の心は浮き立っていた。CDから聴こえてくる良い声とは違い、生で聴ける良い声は格別だった。
どうしよう。これから毎日無料で良い声が聴き放題なのかと思ったら、気が狂いそうだ。
これから正気を保って仕事をできるか不安だが、表面上は上手く誤魔化さなければならない。
心に誓った。九条さんには近づかないと。良い声が無料で聴き放題というこの状況に感謝すべきだと…。
私の九条さんへの評価は声のみだが、他の女性社員は違った。
三十二歳、独身。イケメンで、長身で、温和な雰囲気で優しく話しかけてくれるため、九条さんを狙う女性社員が多かった。
私のような芋女が、九条さんのようなハイスペック男性に声をかけるのは恐れ多すぎて、近寄ることすら許されない雰囲気だ。
ただ遠くから彼のことをずっと見守っていた。
私は九条さんの声が堪能できれば、それ以外は要らなかった。


