久我くんの過保護が止まらない!
陽菜は昼休みになってから何度目かのため息をついた。

「はぁ……」

いつもの席。

いつものメンバー。

しかし空気はいつもと違う。

「大丈夫?」

心配そうに聞かれ、陽菜は苦笑した。

「.........大丈夫じゃないかも....」

正直な感想だった。

もちろん、湊自身は噂程度で傷付く人間ではない。

それは知っている。

だが、好きで話したいような過去ではないことも知っていた。

小学生の頃、引き取られたばかりの湊は夜中によくうなされることがあった。

夢を見たのか、泣きながら目を覚ますこともあった。

本人は覚えていないと言い張っていたけれど、陽菜は知っている。

だから、他人の好奇心で面白おかしく語られるのは、あまり気分の良いものではなかった。

「ねぇ陽菜」

友人の一人が遠慮がちに言う。

「ごめんね」

「ん?」

「私たちは事情知ってるから変なこと言わないけど……

なんもしてあげられなくてごめん。」

言葉を濁す。

陽菜は小さく笑った。

「んーん、ありがと」

その時だった。

教室の扉が勢いよく開いた。

「陽菜さん!」

来た。

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